中国から来た親善大使
茶臼山動物園のレッサーパンダは、長野市の友好都市である中華人民共和国・石家庄市からチンパンジーとの動物交換として、昭和60年3月19日オス1頭・メス1頭の計2頭が来園しました。
オスは誼誼(イーイ)、メスは花花(ホアホア)といい、来園時の推定年齢は、オスが5~6歳、 メスは2~3歳でした。動物園では、一般から愛称を募集し、「イーイ」は「タケオ」、「ホアホア」は「ハナチャン」として親しまれてきましたが、イーイは平成2年10月9日、ホアホアは平成12年10月8日に亡くなりました。

肝っ玉かあさんのホアホア
ホアホアは、性格もおとなしく、のんびり屋、何事にも動じない肝っ玉かあさんでした。初めての出産もなんなくこなし、飼育係にパンダの子育てを教えてくれた優秀なお母さんパンダでした。平成12年10月に老衰で亡くなりましたが、当時は日本で一番長寿のパンダで長寿記録をもっていました。生涯10回の出産で15頭(オス6頭、メス9頭)の子供を産み、今でも全国各地の動物園でホアホアの血を受け継ぐパンダが生活しています。


レッサーパンダの家系図
2016年8月20日現在、16頭のレッサーパンダを飼育しています。
茶臼山動物園レッサーパンダの歴史を家系図で紹介しています。

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レッサーパンダのくらし
レッサーパンダは、中国四川省、雲南省、ネパール、ミャンマーなどの標高2000~3000mの涼しい山林や竹林で木の上の生活をしています。気温は、夏で25℃以下、冬は0~10℃だといわれています。動物園でもエアコンを取り付け、特に夏は高温にならないよう気をつけています。
野生では、早朝や夕方に活動し、日中の暑いときは枝の上や木の洞の中で眠っているといわれています。動物園では、日中でも涼しければ採食したり歩き回ったりしています。
食べ物は、竹やササの葉、タケノコが大好きで、果実やたまに昆虫、鳥の卵、ヒナも食べます。動物園では、竹の葉を主食として与え、ほかにリンゴやペレット、牛乳などを与えています。



出産と成長
レッサーパンダの発情期は1月~3月の数日間で、5月~7月頃に木の洞の巣で、1~4頭(普通2頭)の子どもを出産します。動物園ではこの習性に合わせて、うす暗い部屋を用意し、中に巣箱を入れ出産に備えます。
子どもの体重は120g程度で生まれます。生まれてすぐは目も閉じており、ほとんど自力では動けません。20~25日で目が開きだんだん活発に動くようになります。体の色も始めは灰白色ですが、だんだん色が濃くなり、尾の輪や顔の模様が現れてきます。18ヵ月で体重5~6㎏に成長し成獣になります。寿命は15年程度です。